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「だぁー、っちーなぁ……」

　夏の日差しが燦々どころか爛々と突き刺さる昼下がり、
朝倉純一は風見学園へと続く並木道を歩いていた。
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「でもまぁ……」

　純一は額の汗を拭いながら道中で買ったものが入ったビ
ニール袋に目をやる。

　普段であれば、こんな“かったるい”日和に外になど出
ないのだが、恋人の胡ノ宮環の事となれば話は別だ。
#NEXT

　本校最後の夏、環は巫女部の活動の延長として弓道部の
大会に助っ人参加することになった。

　その陣中見舞いに純一は向かっているのだ。

「なんだかんだで、環に逢いたいだけなんだけどな」

　そんな、環本人の前ではなかなか言わない本音を漏らし
ながら、純一は学園の校門をくぐる。
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　学園の中でも辺境の地にある弓道場の前までやって来る
と、日陰が多いこともあり、他と比べればいくらか涼しい。

　純一が中に入ろうとすると、丁度弓を携えた弓道部員た
ちがぞろぞろと出てくる。
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「ありゃ、やっちまったか？」

　純一は、少し不安になる。

　普段は練習をしている時間だからと、今日は環に行く時
間を確認しなかったのだ。

　陣中見舞いに来たのに戦が既に終わってしまっていたの
では意味が無い。
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「な、なあ、練習ってもう終わっちまったのか？」

　純一は慌てて弓道部の部長に声をかける。

「はい、今日はもうあがりです。明日は大会ですから」
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「そうか。で、環はまだいる？」

「ええ、胡ノ宮さんならまだ射場にいると思いますよ。私
　たちより段違いに上手いのに、居残り練習だそうです」

　本家の弓道部員としては形無しといった様子で苦笑しな
がら部長は中に目をやる。
#NEXT

「あ、胡ノ宮さんにはくれぐれも根を詰めすぎないように
　って伝えてくださいね。本番は明日なんですから」

「わかった、伝えとくよ」

　部長と別れると、純一は射場に足を踏み入れる。
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　中には他の部員はおらず、環だけがひとり、一番奥にい
る。

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　巫女の時と同じように上は白い衣だが胸当てをしていて、
下は緋袴ではなく、紺袴で環は弓を構えている。

「おっ……」

　おーい、と声を掛けようとした純一だが、環のその真剣
な表情と凛々しい雰囲気に、思わず見入ってしまう。
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　環は的を鋭く見据えたまま、矢を弦に掛けると、弓を引
き絞り、そして一息に矢を放つ。

　勢い良く飛び出した矢は、そのまま真っ直ぐに的へ向か
い、突き刺さる。
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「おお……」

　純一は思わず声を漏らす。

　さすがは環である。

　やはり元々の腕前が並外れているのもあって、射抜いた
のはど真ん中だ。
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　純一が的から環に視線を戻すと、矢を継いだ彼女は既に
二射目の構えに入っていた。

　そして、先ほどと寸分違わない動作で矢を射かける。

　ただ、最初と違ったのは、矢を放った後に聞こえた、バ
キッという音だけ。
#NEXT

「あれ？」

　的を見た純一は首を傾げる。

　二射したにもかかわらず、そこに刺さっている矢は一本
だけ。
#NEXT

「珍しいな、環が外すなんて……」

　しかし、的のすぐ下に落ちている物を見た純一はすぐに
その認識が間違いだと気付く。

　そこには、文字通り『真っ二つ』になった矢が落ちてい
た。

　つまり――
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「弓でワンホールショット……だと？！」

　まったく同じ所へ飛んだ二射目の矢は、刺さっていた一
射目の矢を真っ二つにして、的に刺さっていたのである。

　とんでもない妙技を目の当たりにした純一は驚くと同時
に、思わずパチパチと拍手をする。
#NEXT

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「あっ……」

　礼をとっていた環は、その音でようやく純一に気が付い
たようだ。

「よっ、環」

　純一も我に返り、環の元へと寄っていく。
#NEXT

「朝倉様、見ていらしたんですか？」

「まあな」

「でしたら、お声を掛けて下さればいいのに」

　環は弓は持ったまま、取り出した手ぬぐいでバツが悪そ
うに額の汗を拭う。
#NEXT

「ああ。だけど、環があまりに真剣そうだったからさ」

「そう、ですか……」

　手ぬぐいを持つ手を止めて、環は少し照れたように笑う。
#NEXT

「ところで環」

「なんでしょう？　朝倉様」

「そろそろ休憩にしないか？」

　きょとんとしている環に、純一は手に下げていたビニー
ル袋を彼女の目の前に掲げる。
#NEXT

「ほい、環。今日も暑いから、先ずは水分をしっかり摂ら
　なきゃな」

　風通しの良さそうな入口近くまで移動した後、純一はス
ポーツドリンクを注いだ紙コップを環に手渡す。

「ありがとうございます、朝倉様」

　胸当てを外しながら、環がそれを受け取る。
#NEXT

　道場で飲食はホントは良くないんだろうけど、今日は少
し大目に見てもらおう。

「なんだか新鮮です」

「……？　なにが？」
#NEXT

「朝倉様からお水を頂いたりするのはあまり機会がなかっ
　たものですから」

「そ、そうだっけ？」

　首を傾げる純一に、嬉しそうに環が笑う。
#NEXT

　確かに、純一から環にお茶や水を渡したりというのはあ
まり記憶に無い。

「でも……なんだか落ち着きませんね」

　そう言って環は紙コップのフチをなぞる。

「そうなのか？」

　こくりと環は頷く。
#NEXT

「はい。朝倉様に何かしてもらうのも嬉しいですけど、やっ
　ぱり、私の方が朝倉様にお茶を淹れたり、ご飯を作った
　りしていたいですもの」

「お、おう……」

　にっこりと微笑む環に、純一は少し照れ臭くなって頭を
掻く。
#NEXT

「…………」

「…………」

　それからお互いに無言で見つめ合う。

　射場（ここ）には、ふたり以外、誰もいない。

　今なら――
#NEXT

　純一はそっと、環に身体を寄せようとする。

　――ぐぅ……

　しかし、純一の邪な思惑は、その少し間の抜けた音に霧
散させられる。
#NEXT

「ん……？」

　純一が音の発信源に目をやると、暑さばかりではない赤
面っぷりで、環がもじもじと身動ぎしていた。

「……練習に夢中で、お昼がまだだったものですから」

　消え入りそうな声で環が言う。
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　純一はさほど気にしないのだが、やはり環は女の子。

　恋人にお腹が鳴る音を聞かれるというのはとても恥ずか
しい事なのだろう。

「あー、そうだったのか。わりい、だったら休憩じゃなく
　てお昼にするべきだったな」

　そう言って、純一はビニール袋をガサゴソと漁る。
#NEXT

「俺も環の練習見ながら食べるつもりだったから、こんな
　んで良ければあるぞ」

　純一はスポーツドリンクと一緒に買った『梅』と書かれ
たおにぎりを環に差し出す。

　何か和菓子を出しても良かったのだが、弓の練習をした
後の環には物足りないだろう。
#NEXT

　それに、梅は疲れにも良いと聞くし、大和撫子な環なら
梅が嫌いということもないはずだ。

「でも……悪いです。これ、朝倉様のお昼なんでしょう？」

「いいっていいって。今度美味しい夕飯でもごちそうして
　くれればいいからさ」
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　申し訳無さそうにしている環の手に純一はおにぎりを渡
す。

「すみません、朝倉様」

「環、いつも言ってるだろ。こういう時は“ありがとう”
　だ」

　純一はビシッと環に人指し指を突き出す。
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「……そうですね。ありがとうございます、朝倉様」

「よし、わかればよろしい」

　そう言うと、純一はまたビニール袋を漁って、今度は自
分の分のおにぎりを取り出す。
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「ふふっ、やっぱり、朝倉様ってやさしいですね」

　それからふたり一緒に、おにぎりを食べる。
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「で、なんで昼飯を忘れるまで練習してたんだ？
　今日は早く終わったんだろ？」

　純一は率直な疑問を環に尋ねる。

「はい……それは」

　半分ほど食べ進んだおにぎりを口元から離して、環は視
線を的へと向ける。
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「不安だったんです。漠然と、ですけど」

「明日の事か？」

　静かに、環が頷く。
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「うーん、でも、環ぐらいの腕前なら、むしろ自信を持っ
　て臨めると思うけどなぁ」

　残りのおにぎりを放り込みながら純一は頭をひねる。

「私自身、弓の調子は良い……と思います。でも、勝負事
　って何が起きるかわからないじゃないですか」

　少し複雑な表情で環は純一を見つめる。
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「未来がみえる環でも、か？」

「はい。私は勝負に関して、結果はみえませんから。もう
　いっそ、『必中祈願』でもできたらいいですけどね……」

　環は冗談っぽく笑って、おにぎりを口にする。
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「だけど、そういうことはもうしないって決めたろ？」

　以前、環はそうしたお願いを叶え続けたばかりに、力が
暴走したことがあるのだ。

「ええ。でも今なら、あの時お願いに来た人たちの気持ち
　もわかる気がします」

「ふむ……」
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　そんな環の様子を見ながら、純一は顎に手を当て、少し
考える仕草をする。

「朝倉様？」

　おにぎりを食べ終えた環が、不思議そうに純一を覗きこ
む。
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「なぁ、環」

　純一が顔を上げる。

「弓の射方、教えてくれないか？」

「それは構いませんけど……、どうしてまた？」
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　目を丸くしたまま、環が尋ねる。

「ちょっとした賭け事みたいなもの、かな。早速始めよう、
　環」

　そう言って純一は立ち上がる。
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「こ、これはっ……」

　弓を構える純一は思わずドギマギしてしまう。

　身体が的と垂直になり弓も構える、という性質上正面か
らの指導がしづらい。
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　というわけで、純一は背後から環に手取り足取り構えを
教わっているのだが――

「朝倉様、左腕はもう少し上に。顎はもう少し引いて。
　……はい、そうです。あと、右肘はもっと張って下さい」

　背中から密着するように、環は純一の構えを正していく。
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「あ、あぁ……」

　耳元にかかる吐息が、いつもより強く香る環の匂いが、
そしてなによりも――背中に感じる柔らかな感触が純一の
心拍数を上げる。
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「朝倉様。先程から腰が引けていて姿勢が悪いですよ？」

　純一の胸と腰に環の手が回され、ぐいっと力を込められ
る。

　まるで、後ろから抱き付かれているような体勢。
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「た、環……」

「どうしました？　何か質問でも？」

　いたって真面目な環の声が純一の背中から返ってくる。
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「い、いや、質問じゃないんだけどさ。その……、いろい
　ろと当たってて……」

「……っ！　ご、ごめんなさい、私ったら……」

　慌ててた様子で環の両腕が引っ込み、同時に今まで感じ
ていた柔らかい感触も離れる。
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「あ、いや、いいんだ。別に、嫌だったわけじゃないから
　さ」

「ほんと、ですか？」

　純一の様子を窺うように、環が尋ねる。

「ああ。だから、環が良いなら、もうちょっと教えてくれ
　ないか？」
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「はい、わかりました」

　再び、純一の背中に環の体温が戻る。

　そして、環の指導も再開される。

　環の弓の指導は、普段の彼女とは打って変わってとても
厳しいものだった……。
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　ひとしきりレクチャーを受け終えた純一は、的に身体を
向け、弓を取る。

「それでは、朝倉様。とりあえず一本射てみましょうか」

　環は純一に矢を渡す。

「おう。じゃ早速」
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　純一は矢を受け取ると、先程教わった構えを実践する。

「あのさ、環。俺が今から射る矢、的に当たると思うか？」

　構えたまま、純一は背後の環に尋ねる。
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「どうでしょう……。さすがに、朝倉様でも難しいと思い
　ます」

　環の率直な答えに、純一も頷く。

「だよな。俺もそう思う」
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　そう言うと、純一は弓を引き絞り、矢を放つ。

　教わったとはいえ、まだまだ素人同然の不格好な構え
から放たれた矢は、やや上方に逸れてゆらゆらと飛翔す
ると――

　的の隅も隅、縁とも言っていい場所に命中した。
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「っ！　朝倉様、すごいです」

「今のはたまたまだよ。俺だって驚いてるんだから」

　純一は環に向き直りながら肩をすくめる。

「それでもすごいです！」
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「そうかもな。でも、さっき環が気にしていた試合結果の
　未来だって同じだよ」

「え？」

　環は少しだけ首を傾げて、純一を見る。
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「確かに、未来が、結果が見えないってのは不安かもしれ
　ない。でもさ、“絶対”なんて未来、面白くないじゃな
　いか」

　純一は環に借りていた弓を手渡す。
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「俺が今射た矢だって、環の言う通り見当違いの所に飛ん
　でいたかもしれない。ただ、今回は偶然上手くいった。
　でも、環の弓はそうじゃないだろう？」

　環の弓の腕前は純一にとっての偶然を限りなく必然に出
来るだけの練習を積んできているのだ。
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「上手くいかないかもしれないから一生懸命練習する。で
　もって本番も全力を尽くす。だから努力にも“やり甲斐”
　があるんだと思うぜ」

　そっと、純一は環の肩に手をかける。

「結果どうこうより、まずは全力で試合に臨めばいいんだ
　よ。環なら、結果は自ずと付いて来るんだろうしさ」
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「……そう、ですね」

　目を閉じ、小さく環が頷く。

「……うん、なんだか胸のモヤモヤが晴れたような気が
　します」

　それから、環は肩にある純一の手に、自身の手を重ねる。
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「でも、朝倉様。それだけだとちょっと足りないです」

「ん？　まだ、なんかあるのか？」

「ええ。不安はなくなりましたけど、頑張る為の気持ちが
　欲しいんです。だから――」

　そっと、環は純一の胸に収まる。
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「キスを……してもらえたら、明日の大会もきっと頑張れ
　ると思うんです」

　上目遣いに、純一を見る環はまるで駄々っ子のようだ。

「……ったく、しょうがないな、もう」

　そう言いつつも、純一は環に優しく口づけをする。
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「……満足か？」

「ふふっ、ありがとうございます、朝倉様」

　明るく微笑みながら、環は純一から一歩離れる。
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「頑張るって言うからには、ちゃんと明日は良い結果を出
　すんだぞ？」

「はい。……あ、でも朝倉様、大会でいい結果が出たら、
　ご褒美も下さいね？」

　唇をなぞりながら、環が悪戯っぽく笑う。
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「……ああ、わかったよ。でも、良い結果が出たらだから
　な？」

　頬を掻きながら、純一は環に念を押す。

「はい、楽しみにしています♪」
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　笑顔の環はどこか自信ありげだ。

　もしかしたら、環には純一が彼女にご褒美のキスをする
未来が見えているのかもしれない。

　そうだといいな、と思う純一であった。

　――Ｆｉｎ
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